Oracle Autonomous Databaseを使用した、小数のOCPUと粒状のストレージ割り当てによるデータベース統合 (2021/06/30)

Oracle Autonomous Databaseを使用した、小数のOCPUと粒状のストレージ割り当てによるデータベース統合 (2021/06/30)

https://blogs.oracle.com/cloud-infrastructure/post/database-consolidation-using-oracle-autonomous-database-with-fractional-ocpu-and-granular-storage-allocation

投稿者:Ranganath Srirangapatna Ramachandra

Oracle Autonomous Databaseは、従来、データベース管理者が行っていた作業をエンド・ツー・エンドで自動化する自己管理型のデータベースです。2種類のインフラストラクチャが用意されています。「Shared Exadata Infrastructure」と「Dedicated Exadata Infrastructure」です。Sharedでは、その名の通り、複数のテナントがExadataマシンを共有します。一方、Dedicatedでは、お客様のExadataは他のテナントから隔離されています。これにより、本番環境、開発環境、テスト環境など、インフラやソフトウェア、メンテナンスのライフサイクルをコントロールすることが可能になります。


Exadata導入の典型的なユースケースは、データベースの統合です。CPUをオーバープロビジョニングすることで、1つの物理コアに複数のデータベースを割り当てることができます。この機能は、開発環境やテスト環境などの非プロダクション・データベースや、ワークロードがCPUコア全体を必要としない非クリティカルなデータベースを運用する際に有効です。Exadataは、プラットフォームのパフォーマンス、可用性、セキュリティを犠牲にすることなく、コストを削減することができます。


このブログでは、「Autonomous Database Dedicated」において、同様のデータベース統合を、OCPU全体ではなく部分的なOCPUを使用して実現できるようになったことを紹介します。この機能は、Autonomous Database on Dedicated InfrastructureとAutonomous Database on Cloud@Customerに適用されます。


Fractional OCPU


Oracle Database Release Update 19.11 より前のバージョンでは、Autonomous Databaseの最大数は Exadata インフラストラクチャの OCPU 数と等しく、最小のデータベースは 1 OCPU でした。100 OCPU の Exadata クオーターラックでは、100 が作成可能なAutonomous Databaseの最大数となります。もう1つの関連する制約は、データベースあたりの最小ストレージサイズが1TBであることでした。


Release Update 19.11以降では、小数のOCPUとGB単位のストレージを使ってAutonomous Databaseをプロビジョニングできるようになりました。フラクショナルOCPUでは、0.1~0.9 OCPUの端数を使って1 OCPU未満のデータベースを作成し、1 OCPUで最大10個のデータベースを稼働させることができます。前述の例では、Exadataの1/4ラックに最大1000個のAutonomous Databaseをプロビジョニングすることができます。OCPUの分割に伴い、ストレージの単位もTBではなくGBに変更されました。つまり、90GBの開発データベースに1TBを割り当てる代わりに、Autonomous Databaseのユーザーは100GBを割り当てて、ストレージの効率化を図ることができます。OCPU が整数でストレージが TB であるAutonomous Databaseと同様に、OCPU が小数でストレージが GB であるAutonomous Databaseも、ダウンタイムなしでスケールアップまたはスケールダウンすることができ、小数から整数、GB から TB、またはその逆の変換がサポートされています。


OCPU を小数化し、ストレージの割り当てを GB にした Autonomous Transaction Processing データベースを作成するには、「Create Autonomous Database」ページで OCPU 数を 0.1~0.9 の間の小数で入力し、ストレージのサイズを GB で指定します。




オートスケーリング、クローニング、Autonomous Data GuardなどのAutonomous Databaseのすべての機能は、小数のOCPUでサポートされています。OCPUとストレージの割り当てを最小限に抑えながら、ディザスタリカバリ・フェイルオーバーなどの本番用データベースの機能を開発・テストすることができます。




整数 OCPU Autonomous Databaseと同様に、小数 OCPU データベースは、選択された OCPU の数に比例してパフォーマンス関連のリソースが割り当てられます。例えば、0.3 OCPU のAutonomous Databaseでは、1 OCPU のAutonomous Databaseのメモリと同時セッションの 30% が割り当てられます。


分数OCPUと整数OCPUの決定的な違いは、定義済みのデータベースサービスが利用できるかどうかです。これらの接続タイプは、データベース作成時に作成されます。フラクショナル OCPU を使用するAutonomous DataWarehouseは、TCP および TCPS 対応のローサービス(low、low_tls、low_ro、low_ro_tls)のみをサポートします。OCPUの端数があるAutonomous Transaction Processingは、TCPとLowの両方のサービスに対応しています。


フラクショナルOCPUの使用に対する課金は、インテージャーOCPUの使用と同様です。Autonomousコンテナデータベースのアクティブな OCPU(整数および小数の両方)の合計が集計され、最も近い整数の OCPU に丸められます。例えば、0.1 OCPUのAutonomous Transaction Processingデータベースが38個あるコンテナデータベースの場合、4 OCPUとして請求されます。



もっと詳しく知りたいですか?


フラクショナルOCPUとグラニュラー・ストレージにより、Autonomous Databaseユーザーはデータベースの統合によるコスト削減をさらに進めることができます。Exadataインフラストラクチャのパワーを活用することで、プラットフォームのパフォーマンス、可用性、セキュリティを犠牲にすることなく、より高い統合密度を実現できます。ご利用にあたっては、ドキュメントをご覧ください。


Autonomous Databaseへの移行と、Oracle Architecture Centerのリファレンス・アーキテクチャの詳細をご覧ください。


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